『私はこんなに頑張っているのに!!』
てつこは最近、仕事で頑張り過ぎだとよく言われる。
そんなに頑張っているのだろうか??自覚があまりない。
てつこ自身の処理能力は置いておいて、
なんでそんなに頑張っているのか…
一つ心当たりがある
『私はこんなに頑張っているのに!なんでわかってくれないの!』
『私はこんなに愛しているのに、なんでそんなことを言うの!』
『私はこんなにみじめな思いをしているのに、あんたはなんでかばってくれないの!』
てつこは小さい時からこんな言葉を聞かされた。
ほとんどはてつ父に向けられていたが、
てつこ自身に向けられることもあった。
どこをどう頑張っているのか、
何を実際に頑張っているのか、
てつ母に対していつも「?」と思っていた。
一つだけ伝わってくるのは
『この人もこの人なりに頑張っている』ということ。
同時に『なんだかあんまり大したことないな』という見下した感情が沸き上がる。
てつ母が具体的に何をしていたのかはさておき、
相手に対して理解を示しつつも下に見ているという、ひねくれた見方をてつこはしていた。
そのためなのか
あまりにも頑張っているアピールをすると、第三者からは
大したことないなぁと心の中で思われてしまいそうで、言えない。
みんなも頑張っているんだろうから、言えない。
と、いうか。
自分だけが必死になっていると感づかれるのが、すごくかっこ悪い、と思うのだ。
でも最近てつこは思いなおす。
結局必死になってるのって、ばれてるんだな。
頑張ってても頑張ってなくても何も考えてなくてもいずれにせよ、
もうちょっと周りの人にアピールしてもいいのかも。
小さい時のように、我慢する必要はもうないんだな。
あぁ、てつこは大人になったんだなぁ