てつこはじと目でなにを見る?

おかしな家で育ったおかしな娘が書く読み物

少年よ、恋心を抱け。本能の赴くままに相手を捉えよ。

つい先日、友人と飲む機会があったてつこ。

夜中まで飲んだくれて、だらだらとしょうもない愚痴を言い合う。

気の合う友人としか飲まないてつこにとってお互い好き放題喋り倒す。

そんな中、友人は「もういやだよぉぉぉ」と嘆き始めた。

 

友人「特に最近、嫌なことばかり思い出すんだよね」

てつ「どんな?」

友人「学生時代の失敗とか子どもの頃の恥ずかしかったこととか…」

 

わかるわー。

 

この二人は似た者同士。ネガティブな思考回路や不遇な子ども時代やコンプレックスの塊である点が非常に似ている。

激しく同意しないわけがない。

 

友人「忘れたいけど、忘れられない。思い出して、あああああああってなる」

 

この種の人間にはもはや共通した思考か。

 

てつ「何かで忘れるしかないだろうなぁ。

   恋愛とか?ちょうどアナタ、恋愛体質だって自分で言ってたじゃん」

友人「そうでもして熱中しないと思い出しちゃうんだよぉぉおおぉ」

 

酔っているのは置いといて。

てつこは自分で言っておきながら、恋愛体質かぁと複雑な気持ちになった。

中学高校は家に帰りたくなくて学校行事やらバイトやらに明け暮れていた。

大学はチャラけた演劇サークルに嫌気がさして速攻辞め、講義に超真面目に出ていた。

社会人になり、コンパに誘われたのは片手で数えるほど。

恋愛って…あんまりしたことないんだよな…と思い返す。

 

てつこはヘテロセクシュアルだけれども、一時期女の子に興味があった時期もある。

性的指向云々というよりは、てつこの場合、他人への関心が無い。

他人と深く付き合うのが苦手。相手に少しでも深入りされそうになると一歩身を引いてしまう。

男ものの服を着て、己の女性性を隠そうとした若かりし日々のこと。 - てつこはじと目でなにを見る?

↑の通り、己の女性的な面を強く否定した時期もあった。

そんなんだから、片思い・恋愛・失恋…といった経験がほぼない。

 

何度も何度もタイムマシンがあったら…と思うが、

学生時代に戻って昔のてつこに会えたなら『青春は一度きりじゃ!』と

言いながらビンタしてやりたい…

そうでもしないと頑固者のてつこは『恋愛?いや、いいっす』となってしまう…

そしててつ父とてつ母に『青春を返せ!』とビンタしたい。

真っ当な家族であれば10代の恋愛に前向きになれたと思う。

家からどう脱出するかしか考えていなかった10代が非常に勿体ない。

 

もっと言えば。

もし1回でも2回でも何回でも恋愛をしていれば、遊んでいれば、

 

大人になった今、もう少し他人を信じられていたのかなぁ

 

と最近思う。

恋愛が面倒とか苦手とか言ってると、己の人間力の足しにならん。

それをいま痛感している。

 

前述の友人もてつこと同じ、学生時代にまともな恋愛をしていない奴なんです。

同士がいるのは心強いが、残念ながら何の足しにもなりましぇん。

誰かこのくさくさしている二人をビンタして目を覚まさせてくれませんか。