多様性を認めること = 〇〇ハラスメントが無くなること???
てつこは先日会社の研修で「多様性についての人権啓発研修」なるものを受けた。
その中でDVDを見せられた。
まぁこれまでにも似たようなものを散々見てきたが、
今回はなんとなく違和感を覚えた。
DVDでは二例取り上げられていた。
一つは部下の様子に気付けない上司と、言いたいことが言えずに仕事を引き受けてしまう部下の例。
もう一つは妊娠しているがゆえの男性からのボディタッチや、女上司からの「昔はもっとひどかったわよ」という助言に悩む妊婦の例。
いずれもよくある光景で身近な例えだった。
違和感を覚えたのはその「結論」。
『パワハラ・セクハラが起きない職場にしていこう!』という締めくくりを見て、
てつこは「うーん…」と唸った。
ハラスメントにならなきゃいいの???
なんだかしょぼい着地点を見せられた気がして、てつこはがっかりした。
多様性ってそんなものなのだろうか。
ハラスメントとは当人の意志に関わらず、相手が不快になったり尊厳を傷付けられたりすることをいうらしい。
確かに、いや確かに、
みんなが多様性を理解して相手を認めればハラスメントなるものは無くなる。
そこで大事なのは「ハラスメントが無くなる」ことではなく、
「みんなが多様性を理解する」ことなんじゃないのかなぁ、とてつこは考える。
この生きづらいと言われる社会において、
結果よりもまずは一歩踏み出そうよという意気込みが大事なのではないだろうか。
だからこそ、パワハラセクハラ撲滅!という結果を急かすDVDの内容に違和感を覚えたのだ。
てつこ自身、多様性関連で印象的だった思い出が二つ。
職場のおばさまにひょんなことから「オカマとホモとレズって何が違うの?」と聞かれたこと。てつこなりに丁寧に説明してみたら、「まぁそんな世界があるのね!」と彼女なりに?理解しつつも目を丸くされた。
もう一つ、当時の女上司から「最近産休者が多くて困るから、てつちゃんは暫く子ども作らないでね♡」と同性セクハラ発言をいとも簡単に言われたこと。わかりましたと返事したものの、やばい発言ちゃうんかと内心思ったものだ。
どちらも無知から派生している驚きや発言。
てつこ自身も知らない世界については勿論知らない。
人間の全てを把握することも神様でない限り難しいことだ。
けれども「知らない」から傷つく人がたくさんいる。
そのことを「知る」こと。それが多様性を理解するということではないだろうか。
インターネットやテレビをそれなりにアンテナ高く見ていると、
そこそこ情報が入ってくるものだけれども、そうでもない人もたくさんいる現実。
今回のDVDの製作者も「企業と多様性って言ったらパワハラセクハラっしょ!」みたいな短絡的な思考の人なのだろう、と想像してみる。
日本に『多様性』って言葉が浸透するにはまだまだ時間がかかりそうだ。