てつこはじと目でなにを見る?

おかしな家で育ったおかしな娘が書く読み物

「気にしすぎ」で人生損する人々

帰宅のため電車に乗った。ラッキーなことに座れた。

スマホをいじっていると、目の前に立つ女性がやけに落ち着きがない。

なんだろうとチラ見していると、

どうやら周囲の人のカバンが身体に触れる度に

彼女は振り返ったり手で払ったりしているようだった。

気持ちはわかるが・・・ちと反応しすぎだなぁと思った。

彼女の顔は電車を降りるまで、立派なしかめ面だった。

 

気にしすぎだなぁとてつこは思った。

 

『気にしすぎ』。

ああ、でも気にしすぎな人って意外と周りにいるな。

 

てつこの同僚、仮にむーさんと呼ぼう。

むーさんは昨年異動してきたばかりの人。

日もまだ浅いせいか、周りの人にやたら気を遣う。

「むーさん!ちょっと来てー」と呼ぶと、

「はい!私、何かしましたか?!」とすっ飛んで来る。

「むーさん、ここの書類ね、」と話しかけると、

「ごめんなさい!私、間違えましたか?!」とかぶせ気味で謝ってくる。

いずれも何もしていないし間違ってもいない。

しまいには先輩から「もっと自信を持ちなさいよ」と注意される始末。

それでも治らない。

そして不思議なことに、同じようなタイプの人が他にもいる。

正直、一日何回も↑みたいなやり取りをしていると

「あんたら謙虚の意味をはき違えとるぞ!」と怒りたくなる。

 

以前お世話になった先輩にも、細かいことを気にする女性がいた。

書類の丸が無い、日付が違う、しまう場所がいつもと違う、あの人にこんなこと言われたんだけど嫌味なのかしら、てつこさんこの前はごめんね私気が利かなくて・・・云々。。。

仕事のやり方だけでなく、普段の会話でもやたら周りを気にする人だった。

細かい気配りによって助けられたことは仕事上あったけれども、

普段のお付き合いでは細かすぎて逆にこっちが気を遣った。

だって、ちょっと下手なこと言うとすぐ気を揉んじゃうから。

取扱注意な人だったな。

 

周りを気にする・気を遣うって気配りができて良いことも多いが、

うっかり場面を間違えるとお互い気まずい。

気にされたこっちはイラっとしたり、そんなつもりじゃと思ったりする。

当の本人は余計なカロリーを消費して疲れてしまう。

良いことなし。

 

なぜこんなことを思い出したのかというと、

てつこも昔は『気にしすぎ』人間だった。

喋っている人の顔色が気になる。声色が気になる。電車に乗っていれば周りが気になる。仕事では書類や進め方の細かい所が気になる。評価が気になる・・・。

そんなこんなで疲れてしまった。

だから最近では『そんなに気にしない』と決めた。

ある程度は気にする。こだわる。気を配る。

けれど「こんなもんじゃね?」という所で切り捨てる。気にしない。置いておく。

そしたら不思議と仕事が上手くいき始めた。

家に帰っても、くよくよすることが少なくなった。

 

自分を強く持って、自分中心に物事を進める。気にするのは「ついで」。

それでいいんだと気付けたのはつい最近の出来事。