てつこはじと目でなにを見る?

おかしな家で育ったおかしな娘が書く読み物

むかしむかし、ある所に「がくれき」を気にする者がおってな・・・

ちょっと前から就活が本格化しているようだ。

後ろで一つに髪を束ねている女の子と、

抑えめなツンツン髪の男の子が黒一色のスーツを着て

疲れたなーという顔で電車に乗っている。

 

とあるネットニュースで「学歴フィルター」が取り上げられていた。

就活で会社に応募する際、偏差値の高い大学と

そうでない大学で企業側の反応が違ったとのこと。

色々考察した結果、学歴フィルターが存在しているのかもしれない…

という記事の(煮え切らない)締めくくりだった。

 

企業に学歴フィルターが実際にあるのかどうかは知らないが、

学歴によってある程度「区別」されるのは実際にあるし、仕方のないことだろう。

ある程度の学歴の人はそれなりに努力していたり、

それなりの生育環境だったりするわけで、

それなりの人材であろうと予想できる。

学歴が一つのバロメーターなのは確かだ。

 

・・・と、肯定的に考えているてつこだが、

なんとまぁすっとんきょうな人物と出会ったことがある。

 

一人は学生時代のコンパで知り合った、学歴自慢男。

彼の決め台詞を今でも覚えている。それは

『俺、〇〇〇(←大学名)だから☆(キリッ』

 ※この大学の方々の名誉のため伏字でお送りします※

学歴自慢のお手本と言わざるを得ないほど、

会話の最後に必ず『俺、〇〇〇だから☆(キリッ』を言うのである。

 

自慢男「てっちゃん、〇〇大だよね?何学部?」

てつこ「あぁ、社会系です」

自慢男「そっか。俺、〇〇〇だからさ☆ 英語が得意なんだよね」

てつこ「はぁ、すごいですね~」

自慢男「留学しようと思ってるんだ。俺、〇〇〇だからさ☆

    知ってると思うけど海外との交流が盛んな大学なんだ☆」

 

こんな会話がコンパ中続いた。

酒を飲みに来てるのに、大学の入学説明会にでも来た気分だった。

そして見事なまでに全ての会話が彼の学歴自慢に帰結する。

本当にこんな奴が世の中に存在するのかと感心したものだ。

就活や入社後に是非失敗して鼻がへし折れればいいのにと、

黒いてつこは当時思った。

 

もう一人は、数年前一緒に働いていた男上司。

良く言えばひょうきんで明るい上司、

悪く言えばのらりくらりと責任を回避する頼りない上司、だった。

彼は新しく来た人、特に若い人に

必ず最終学歴を聞くことで有名だった。

 

てつこ「お疲れ様でーす」

男上司「お疲れ!ここも大分慣れてきたね。…ところで、大学ってどこだった?」

てつこ「(キターーー!)・・・はぁ、〇〇大です」

男上司「おぉ!あそこか!〇〇さんも同じ出身だよ!」

てつこ「(なんだその情報網)あぁ、そうなんですか」

男上司「いやー、いい学校だよねぇ。俺、そこの近く通ったことあってさ」

 

いや、通ったことあるくらいで知った顔されても…。

この男上司のいやらしい所は、彼自身の出身校を聞くと

「いやー!俺の学歴なんてどうでもいいんだよ!あっはっは」

と言って立ち去る所である。

他人に聞いといてそれを平然とやるその図太い神経を分けて欲しい。

結局、彼は自身の学歴を秘密にしたまま異動していった。

(別にどこでもよいのだが)

 

世の中には「学歴」に囚われて

しょーもないことを気にする輩が実際にいるもんだ。

大企業の役員とか政治家とかにでもならない限り、

一つのバロメーターでしかない。

今は就職氷河期ではないのだから、大学名をそんなに気にせず、

学校で何をやってきたかをきちんと答えられれば問題ない。

就活は疲れるけれども、希望を持って乗り切ってほしいなぁと思うのであった。