てつこはじと目でなにを見る?

おかしな家で育ったおかしな娘が書く読み物

化粧もハイヒールも疲れるから辞めてやるさ。

以前、てつこの家の近所に美容室が新しくできたので行った。

チャラめなお兄さん(ちょっとおじさん寄り)が主に一人でやっている

こじんまりとした店だった。

髪を切ってもらっている間、世間話をする。

すると突然、

美容師「あれ?おねーさん、お化粧してないの?」

と聞いてくる。

てつこ「えぇ、してませんよ。」

会社に行かない日はてつこは基本化粧をしない。

てつこにとっては至極当然のことであった。だだ、、、

美容師「あっら~~~~~勿体なぁ~~~~~い!」

更にたたみかけるチャラ男。

美容師「勿体ないよ、てつこさん!化粧した方がいいって!

    ほら、アイメイクとか眉毛とかやるだけで違うよぉ!」

 

・・・ウゼェ。

 

てつこの額にピキピキと浮き出るものがあった。

その後も散々化粧の仕方をレクチャーされた。

化粧をしていないことがいかに恥ずかしいかというニュアンスと共に。

 

てつこは化粧が苦手である。

一時期、ちゃんとアイメイクをしたりファンデーションに凝ったり

したことがあった。だがすぐ辞めた。

面倒というのは正直ある。

不器用だから下手ということもある。

もっと心の奥深くを探ってみると、たぶん、

自分の顔が嫌いでじっと見たりいじったりするのが嫌なのかもしれない。

化粧をしても変わらないと思いこんでいる節もある。

 

まぁとにかく、てつこは化粧が苦手である。

だから化粧をしない。

それって他人にとやかく言われる筋合いはない。

これでいいのだ。

だからチャラ男美容師に指摘されたときはムッとした。

てつこは何時いかなる時も化粧をする必要がないと言いたいわけではない。

化粧をして自分を美しく見せようとする行為は

他者にも配慮しているわけであって、

会社とかフォーマルな場では化粧をしてむしろ良いと思う。

ただ。

近所の美容室に直行直帰するときくらい、断固たる意志をもって

化粧をしないでもいいじゃないか。

そして初めて会うお前に言われたかねーわ!とチャラ男美容師に思ったのだ。

色々と腹ただしい。

 

一方で、化粧というものはとても厄介である。

てつこの会社で接客をしている女性にとあるクレームが入った。

「化粧が薄い」と。

薄い???別によくね???

おじーさんからのクレームだったらしいが、

そんな失礼で意味の分からんジジイがいるもんだと騒然とした。

 

以前、てつこに意地悪をするお局さんのことを書いたが、

そやつは逆に、アイメイクが濃すぎて「ブルーマン」と影で呼ばれていた。

濃すぎるのも笑いを誘ってしまうのである。

 

こう考えると、てつこにとって化粧は非常にハードルが高い。

一生懸命化粧してキレイになった!と思ったのに、

やんややんや言われるくらいなら化粧しない方が楽である。

好きな人とフレンチを食べに行く時くらいにファンデーションを塗ればいいのである。

これでいいのだ。

思わず、西から昇ったおひさまが~♪と歌いたくなるくらい、いいのだ。

嫌だからオフの日は化粧をしない。

足や腰が痛くなるからハイヒールは履かない。

あぐらをかきたいときはスカートをはかない。

鼻の奥がツーンとするから香水はつけない。

自分が楽をしたいから、しない。

それでいいのだ。

 

適度に身なりに気を遣いつつ、心地よい格好をする。

TPOは守りつつ(守ったほうが文句言われないしね)、好きにする。

まだまだ実践できていないけれど、

「無理のない格好」「自分らしい身なり」については確立できているのかな。

ちょっとしたことだけと「芯」ができていてよかった、と振り返り。