てつこはじと目でなにを見る?

おかしな家で育ったおかしな娘が書く読み物

わたしは、弱いから。

子どもの頃、理不尽なてつ母と非力なてつ父を見て

「こうはなるまい」と、

「強くあろう」と誓って生きていた。

自分がやりたいと思ったことにはチャレンジし、

文句は口に出さないようにし、

人に嫌なことをしないように気を付け、

笑顔で楽しく生活することを心がけた。

様々な交友関係を持てたし、勉強もそこそこ頑張り、趣味も幅も広かった。

 

ここ数年、子どもの頃をなるべく冷静に振り返るようにしてきた。

あの頃は「強かった」なぁと思う。

一方で今は・・・と考えてしまう。

 

すぐ体調を崩すし、

しかも精神的なもので身体的に原因があるわけではないし、

すぐ泣くし、

すぐ気にするし。

あぁ、なんだか、自分って「弱い」なぁと思う。

 

実際、同僚や上司にも指摘されたことがある。

「体調管理も大事な仕事だよ」

ですよね。

知ってるつもりなんですけど、なかなか苦手なんです。

心の中で言い訳をしつつ、笑顔で「気を付けます」と応える。

 

「弱い」から「強く」なりたいと思って、そう行動してきた。

この瞬間だって、そうありたい。

明日会社に行きたくないなぁ、頭痛いなぁ。

そんな気持ちを跳ねのけて「いっちょやったろうじゃん!」という

気持ちにならないかなーと右往左往してみる。

ネガティブな感情を自分の中でスルーしようと試みたり、

敢えて何が嫌なのか考えたり、

一週間勤務したらご褒美にご飯食べに行こうと予定を立てたり。

色々してみるんだけど、くらーい闇にのまれてしまう。

アニメの主人公のように闇にのまれる瞬間に新たな能力でも目覚めればいいのに、

現実にはそんなこともなくただただ鬱々とするだけだ。

 

ひとかけらのちっちゃな不安感が

ぐわーっと広がって目の前が真っ暗になる。

昔もこんな感じだったのかな。

そしてそれを跳ねのけたのか、それとも気付かなかったのか、

よくわからないけれど「強かった」。

 

今のてつこのライバルは昔のてつこかもしれない。

今のてつこの理想像は昔のてつこかもしれない。

 

でも一時期、昔の「強かった」てつこのせいで今の「弱い」てつこが

出来たのだと思っていた。

疲れたのだ。

昔のてつこがエネルギーを大量に消費したせいで、

今のてつこに残っていないどころかマイナスなのだ。

だから恨んでいた。

あんなエネルギッシュに活動なんかするなよ、ばか。

 

それも一理あるだろう。

昔のてつこは傷だらけだった。でも走っていた。

就職して一人暮らしを始めたあの頃、バトンタッチした。弱いてつこに。

これもバランスなのだろうか。

 

わたしは、弱い。

だから逃げる。

嫌なことから逃げる。

保留にもする。見ないふりもする。

でもその内、強いわたしが出てきて知恵を貸してくれるだろう。

それまで苦しいけれど、わたしは弱いままでいる。

いいよなぁ、別に。