てつこはじと目でなにを見る?

おかしな家で育ったおかしな娘が書く読み物

雨の日から読み解く今昔物語

全国的に最近ずっと雨。

以前は雨の日はとても憂鬱だった。

 

子どもの頃は雨の日だとどこにも行かないので、一日中てつ家の3人で家にいた。

遅く起きるてつことてつ父、徹夜でネットをしているてつ母。

昼近くにてつ父はモスバーガーを買いに行き、むさぼるてつことてつ母。

午後はてつこは自分の部屋にこもり、てつ父は酒を飲んでぼーっとしていて、

てつ母はまたネットをする。勿論会話は無い。

空気が悪い。

時折てつ父とてつ母の小競り合いがあり、てつこに緊張が走る。

 

そんな雨の日。

 

大人になってからも、てつこは雨の日の過ごし方が下手だった。

無理やり外に買い物やぶらぶらしに出るけれど、やっぱり雨の日は不便で少しも楽しくないのだ。濡れるし。

やむなく帰宅し家にこもるも、することがないのでぼーっとする。

ぼーっとしていると、昔の嫌なことや仕事の失敗を反芻してしまって「おえっ」と気持ち悪くなる。家にあるカップ麺やお菓子で夜ごはんにして、無理やり布団に入り、「今日も何もしていない…」と自分を責めるのだった。

 

最近はどうか?

 

てつこはルールを作った。

雨の日は一人家で贅沢な食事をすること。

 

贅沢と言ってもスーパーの寿司パックやデパ地下のお惣菜とかである。

時々自分でも煮込む料理や手間のかかる肉料理なんかを自作してみる。

それでもいつもよりは敢えてお金をかけてみるようにした。

そして自分が食べたい・飲みたいと思うものを、少々面倒でも買いに行って家で食べるのだ。

それが功を奏してか、最近は雨の日でも楽しみができた。

朝起きて、小雨な時間を見計らってスーパーに走り、食べ物と酒を買う。

夕方から準備してテレビ番組表で見たい番組をピックアップし、夜に備える。

そしてだらだら~と食べ飲む。

 

先日のカウンセリングで‘とりあえずやること’が決まった。

「とにかくまずは身体を休めること」

「何もしないことで落ち着かないかもしれないけど、とにかく何もしないこと」

「がんばらないことを、がんばること」

を心掛けるよう言われた。その通りだと思った。

今までのてつこはてつ家の空気を気遣い、両親に気配りをし、学校では忙しく活動し、常にせわしなく動き回った。ハムスターみたいな感じ。

それがようやく『そんなことをしなくてよい』状態になった。

 

今日も雨だ。

さぁ何を食べようか。

そしてどう自分をいたわってあげようか。

せっかくの自分の休日を楽しもうじゃないか。雨であろうと。