てつこはじと目でなにを見る?

おかしな家で育ったおかしな娘が書く読み物

あの日見た星の真実を僕達はまだ知らない。

(某アニメタイトルをリスペクトしました)

てつこが高校生の頃、確か7月くらいだったか、

とある高山の合宿所に学年全員で泊まりに行ったことがある。

広い広い合宿所で、それなりに標高の高い所に建っていた。

とても涼しかったのを覚えている。

高校生とはいえ1年生だったので、まだ子どもだった。

廊下を走り回ったり、虫にギャーギャー騒いだり、

些細なことでも笑い合ったり賑やかなものだった。

 

肝心の合宿の内容は、忘れた・・・。

確か・・・カレーを作ったかな?

早朝起こされてラジオ体操をした気もする。

あ、そういえばその山の頂上まで登山をさせられた。

今では友人にくっついて低山に登るのは好きだが、

以前は運動のうの字も嫌いだったので登山なんてまっぴらごめんだった。

だが強制である。登らざるを得ない。

ヒィヒィ言いながら頂上まで行った。

最悪だったのは、帰りの登山道を先導の先生が間違えたこと。

たまたまその先生の後ろにいたてつこはこの耳で聞いた。

「あ・・・・・・道、間違えた。(小さい声)」

おい。

へらへらと笑い「あーごめん。道戻ろうかぁwwww」と言う先生に

明らかな殺意を覚えた。(その後時間はかかったが無事戻れました)

 

合宿中頃の夜、合宿所前の広場でレクリエーションが開かれた。

確か、出し物をしたり先生のありがたいお話を聞いたりした。

合宿という普段とは違う環境で、みんなガヤガヤしていた。

 

てつこは友人達数人と輪になっていた。

星空を見上げていたのだ。

とにかくキレイだった。星が近くに見えた。キラキラしていた。

その感動はよく覚えている。

 

てつ「すげー、きれいだー!。」

A子「すごいねー!」

B子「あれ星座かな?」

C美「〇〇〇座じゃない?」

 

ずっと星空を見ていた。

・・・・・・・・・・そして、次の瞬間。

 

全員「・・・・・・・あれ?え?え?」

 

星が、動いた。

 

一つ、やたら輝いていた星が、ピッと私たちの右手側に移動した。

 

全員「・・・・・・・・」

 

右手側に移動したかと思ったら、すぐ左へカクカクと移動した。

 

全員「くぁwせdrftgyふじこlp」

 

そして、パッと消えた。

 

全員「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

その場にはてつこ含む6人くらいがいたが、全員顔を見合わせた。

 

A子「何、今の?」

B子「UFOだ!!!!!!すげっ」

てつ「まじか!まじか!」

 

動く星に興奮した。

何人も同時に同じ現象を見たのにも興奮した。

興奮しまくりでずっと大声でみんなで喋っていた。

ただ一人、C美だけがずっと無言で空を見ていた。

 

てつ「どうしたん、C美?」

C美「うーん」

 

C美「まぁ、この山、出るって話だしね☆」

 

・・・何がだよ・・・

・・・何が出るんだよ・・・

 

一同、しーんとなった。

妙に冷静なC美のその一言が、オカルトな空気を一気に引き寄せた。

急に涼しくなった気がした。

そういえばC美、変な白い影が見えるときがあるとか言ってたな・・・。

普段は笑い飛ばしていたエピソードが、急に笑えなくなった。

 

その夜はみんな消灯と同時に寝た。トイレにも誰も行かなかった。