己のこころが「痛い!」と叫ぶまで。
てつこへの手紙にもあったように、どうやらてつこは「鈍感」らしい。
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自分の頑張りや疲れに鈍くて、すぐ身体に出てしまうタイプ。
そうだ。
過去に2回、身体と心を酷使して悲鳴を上げたことがあったじゃないか。
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この時の感情や気持ち、手の震え、口の渇き、止まらない涙、恐れ、気持ち悪さ、めまい、顔のほてり、、、それらを今でもよく覚えている。
1回目のなわとびを括りつけたときはまだ小学生だった。
なのに心も身体も疲れて切って死のうとしたのだ。
毎日見たくもない光景を見て、鬱状態だったのかもしれない。
2回目の自ら死のうとするのでは?という恐怖によって外に出られなくなったときは、身体が疲れてきっていた。
この出来事の少し前から朝遅刻したり、突然体調不良で休んだりしたものだ。
てつこが勤める会社はブラック企業ではないが、過労死する人たちの気持ちや状況が少しわかる気がする。
どちらもてつこの心の鈍感さが生み出した極限状態。
普段の鈍さを通り越して、麻痺ともいえるだろうか。
身体が疲れて気持ちも弱って、それでも心は頑張ろうとして麻痺して・・・
・・・そして突然「痛い!」と心が声を上げる。
その直前まで、てつこ自身は学校に行ったり会社に行ったりと動き続ける。
恐ろしいけれど、こういう人はてつこだけでなく、たくさんいるはずだ。
てつこは今生きている。
しかも比較的健康に生きている。
てつこは恵まれている。もっともっと辛い人がいるだろう。
そういう人が身近にいたら、てつこは何かできるだろうか。
いや、深入りしてはいけない。しっかりした心で接しないと共倒れになることを、てつこは知っている。
でもやっぱり助けになりたい。
そう思うことが真面目で頑張り過ぎているのだろうか。
そう思うことは無理なことなんだろうか。
そう思うことで変わることは何もないのだろうか。
己のこころの取り扱いって難しい。